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ショパンコンクールinASIA

ショパン 4つのスケルツォ&ピアノ・ソナタ第3番

IMCM-1009

ライナーノートより(一部抜粋)

ヤブウォンスキというと、すぐに1985年の第11回ショパン国際ピアノ・コンクールが思い出される。このときヤブウォンスキは第3位を獲得したが、その回は稀に見る激戦であり、第1位スタニスラフ・ブーニン、第2位マルク・ラフォレ、第4位小山実稚恵、第5位 ジャン=マルク・ルイサダ、そして第6位タチアナ・ピカイゼンという、いずれも現在世界の第一線で活躍している入賞者の顔ぶれからも、その高水準ぶりが如実に窺われるのである。

しかしながら、今のヤブウォンスキは23年前の彼ではない。あれからじっくりと研鑚を積み、また探求を深めたのであろう。40代を迎えたヤブウォンスキからは、刮目すべき独自の方向性と熟成が十二分に感じられるのだ。

もとより美しい独特の音色は煌くような透明感を携えながら馥郁たる彩りを纏い、グラデーションのように精妙に変化していく。そしてヤブウォンスキの鋭敏な感性は、揺るぎ無い磐石のテクニックに支えられて、音楽それ自体の存在感を一層際立たせるのだ。このCDは、そういう閃きとアイディアが渾然一体と詰め込まれた垂涎のアルバムに仕上がった。ここではあくまでも自然な流れの中に、デモーニッシュなショパンやコケテッシュなショパン、或いはチャーミングなショパンなど、万華鏡のように変幻自在なショパンが顔を覗かせる。それに加えてアルバム全体からは、瑞々しい気品が湛えられた芳醇なロマンが一貫して立ち昇ってくるのである。

日々深化しつつあるヤブウォンスキこそ、ショパンの魂の継承者であることは間違いない。(真嶋 雄大)

収録曲目

フレデリック・ショパン

01. スケルツォ 第1番 ロ短調 作品20
02. スケルツォ 第2番 変ロ短調 作品31
03. スケルツォ 第3番 嬰ハ短調 作品39
04. スケルツォ 第4番 ホ長調 作品54

ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 作品58
05. 第1楽章 アレグロ・マエストーソ
06. 第2楽章 スケルツォ モルト・ヴィヴァーチェ
07. 第3楽章 ラルゴ
08. 第4楽章 フィナーレ プレスト・ノン・タント

プロフィール

1965年ポーランドのヴロツワフに生まれる。6歳の時ヤニナ・ブートル氏に師事し12歳まで指導を受ける。最初の演奏会は、12歳の時オーケストラとの共演であった。ポーランドで開催された数々のコンクールで第1位に入賞する。15歳の時、最年少参加者として、ミラノで開催されたピアノ・コンクールにて、第5位に入賞。それからまもなく審査委員長を務めていたニキタ・マガロフ教授に招かれ、スイスのジュネーブで開催されたマスタークラスに参加。1983年から1986年まで、ポーランドのカトヴィッツェ音楽院にて、アンジェイ・ヤシンスキ教授の指導を受ける。1987年優秀な成績で同音楽院を卒業、 1996年にはP.h.Dを取得。

1985年ワルシャワで開催された第11回ショパン国際ピアノ・コンクールにて第3位に入賞。それと同時に数々の副賞も受賞する。同コンクール入賞後、国内外の各地より演奏会の依頼を受ける。彼の際立った音楽的才能は、その他の著名なコンクールでも認められていた。USAパームビーチ第2回国際ピアノ・コンクール(1988年)では第1位並びに最優秀ショパン賞を、イタリアのモンツァ第10回国際ピアノ・コンクール (1988年)でも第1位を獲得、アイルランドのダブリンGPA国際ピアノ・コンクール(1988年)にて第2位。第4回アルトン・ルビンシュタイン国際ピアノ・マスターコンクール(1989年)にて金賞、ニューヨーク・ウォルター・ナウムブルグ財団国際ピアノ・コンクール(1992年)入賞、カナダのカルガリーでの第1回イーザー・オーネス国際ピアノ・コンクール(1992年)で第2位入賞。

20代はヨーロッパを初め、北アメリカ・メキシコ・イスラエル、そして日本でツアーに参加している。演奏した会場はベルリンフィルハーモニー(ここではマスターコンサートシリーズに2回登場した)、ライプチッヒのゲバントハウス、ドレスデンのセンペルオパー、パリのサル・カヴォー、ワルシャワのナショナルフィルハーモニーホール、モスクワのボリショイ劇場、コペンハーゲンのチヴォリコンサートホール、テル・アヴィヴのF.マンアウディトリウム、ハイファアウディチリウム、ニューヨークのアリスチューリーホールなどがあり、共演した指揮者たちもM.ベルナルディ、A.ボレイコ、S.コミッショナー、K.カスプシク、J.ロペ-コボス、G.ノヴァク、K.ペンデレッキ、W.ロヴィツキ、Y.テズカ、R.ゾルマンら錚々たる顔ぶれである。室内楽においても、ディザート・ストリング、イスラエル弦楽オーケストラ・弦楽四重奏、A.クルカ、T.ストラール、W.ウィルコミルスカと共演。

一方テレビラジオなどの録音も国際的に行っている。1998年2月J.クレンツ指揮シンフォニア・ヴァルソヴァイアとショパンのクラコヴィアクを演奏、この演奏会はヨーロッパの23のラジオ局でライヴ放送され、ヨーロッパ・ラジオユニオン(EBU)の記念行事の一環としても取り上げられた。1998-1999年のシーズンには、ショパン年に伴い、世界各地の記念行事に招待される。ショパン没後150周年を記念して、ワルシャワの国立歌劇場で開催された演奏会に出演、また、モスクワのボリショイ劇場で開かれた、ロシアにおけるショパン年記念演奏会にも出演する。1999年には「フォルテピアニシモ」というバレエ音楽の演奏を依頼される。2幕からなるこのバレエはショパンの音楽に基づいて構成されており、振り付けはロルカ・マッシーネが担当した。このピアノとバレエの競演という他に類をみない公演は、ワルシャワ国際歌劇場にて6回上演された。

1999年クシシュトフ・ヤブウォンスキは、トルコにおける「ショパン年」に貢献した功績と、クラシック音楽普及に尽力した功績によりトルコ文化省より表彰された。後進の指導にも力を入れており、毎年、ワルシャワショパン音楽院主催のサマーセミナーにもピアニスト・講師として出演。2004年からは同音楽院にて、ピアノ科教授として指導にあたっている。

2005年には第15回ショパン国際ピアノコンクールの審査員に選出された。また同年から、ショパン国際ピアノコンクールin ASIAにおいても審査員を務めている。現在、カナダのカルガリー在住。

ショパン 24の前奏曲&4つのスケルツォ

IMCM-1011-12

『ショパン 24の前奏曲&4つのスケルツォ』(ケヴィン・ケナー)

ケヴィン・ケナーがショパン生誕200年に贈る、24の前奏曲と4つのスケルツォ。
ケナーの奏でる素朴かつ澄んだ音色は日本をはじめ世界中のファンを魅了してきました。
これまで「ショパン アルバム」として販売していたロングセラー商品が、ショパンイヤーを記念してSHM-CD化!装いも新たに生まれ変わりました。
タイトル曲以外にもマズルカやノクターンなどの小曲が収録されておりお得な2枚組です。

※本商品はIMCM-1001/1002「ショパン・アルバム」をSHM-CD化し再販したものです。
収録音源は「ショパン・アルバム」と全て同じになります。御了承ください。

ライナーノートより(一部抜粋)

諸石 幸生

演出や装飾といったものからはもっとも遠い、詩人の言葉にも似た美しさと陰影感を背景に繰り広げられるケナーのショパンは、無垢で、素朴なまでに謙虚な表現の世界である。ケナーの演奏に耳を傾けることによって、私達聴き手はもう一度ショパンへの旅を始め、無意識の内に植え付けられ、肥大したイメージを洗い流し、ショパンの素晴らしさを原点から見つめ直す、そんな感動とも発見ともいえる経験をするはずである。名ピアニスト多しと言われる現代の音楽界ではあるが、聴き手と作品との関係を変えてしまうほど大きなインパクトを与えてくれる名手は他にはいない。しかも、そんな衝撃的出会いをケナーはこれみよがしの力技で行うのではなく、むしろ自然でさりげなく、尾を引く影の美しさで実感させてしまう。その辺りに演奏家としての計り知れない魅力と実力のほどを思い知らされる名ピアニストなのである。
今や円熟のケヴィン・ケナーである。じっくりと耳を傾け、ショパンとの新たな出会いを心行くまで楽しみたいと思う。

収録曲目

ショパン

DISC 1
24の前奏曲 Op.28
01. 第1番 ハ長調
02. 第2番 イ短調
03. 第3番 ト長調
04. 第4番 ホ短調
05. 第5番 ニ長調
06. 第6番 ロ短調
07. 第7番 イ長調
08. 第8番 嬰ヘ短調
09. 第9番 ホ長調
10. 第10番 嬰ハ短調
11. 第11番 ロ長調
12. 第12番 嬰ト短調
13. 第13番 嬰ヘ長調
14. 第14番 編ホ短調
15. 第15番 変ニ長調
16. 第16番 変ロ短調
17. 第17番 変イ長調
18. 第18番 ヘ短調
19. 第19番 変ホ長調
20. 第20番 ハ短調
21. 第21番 変ロ長調
22. 第22番 ト短調
23. 第23番 ヘ長調
24. 第24番 ニ短調
25. ノクターン 第8番 変ニ長調 作品27-2
26. ワルツ 第16番 ホ短調 遺作
27-28. アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ

DISC 2
01. 前奏曲 嬰ハ短調 Op.45
02. スケルツォ 第1番 ロ短調 Op.20
03. スケルツォ 第2番 変ロ短調 Op.31
04. スケルツォ 第3番 嬰ハ短調 Op.39
05. スケルツォ 第4番 ホ長調 Op.54
06. 4つのマズルカ Op.67 遺作 06. ト長調 Op.67-1
07. ト短調 Op.67-2
08. ハ長調 Op.67-3
09. イ短調 Op.67-4
10. ポロネーズ 第5番 嬰へ短調 Op.44
11. ポロネーズ 第6番 変イ長調 Op.53「英雄」
12. ノクターン 第17番 ロ長調 Op.62-1